文芸翻訳をした記録

A5、2段組、14ページ

去年から短篇小説を翻訳していて、最近ようやく完成した。

そもそも海外の小説が好きだから、その流れで自然と翻訳に興味はあった。藤井光さんとかブログにも書いた柴田元幸さんのイベントにも行ったことがある。村上春樹の翻訳に関する本もいくつか読んだ。で、柴田元幸さんのイベントが良い機会になって、それからちまちまと翻訳をしていた。

ということで、作業工程と期間のまとめです。

1. 原書を読む

まずは原書を読む。すでに翻訳で読んだことがあって好きだった小説を選んだ。分量を考えて短篇小説にする。まずざっと読む。話の筋は覚えているからそれほど苦労はない。

2. 紙に書く2022.9.18-11.6

この工程が一番面白い。せっかくなので万年筆を買った。紙はマス目のあるMDノート。インクが滲みにくいので書きやすい。文字を埋めていく作業は無心になれて、ただただ楽しい。ノートに記録していた作業日を見返すと2ヶ月くらいかかったようだ。

3. パソコンに打ち込む -2023.1.2

一番めんどくさかった作業。今思うとこれは一気呵成に仕上げるべきだった。前の作業でそれなりに達成感があったので、まぁこれで終わってもいいかなぁとモチベーションが下がっていて、ひたすらパソコンに打ち込む作業はやる気が出なかった。ただなんとかかんとかして終わらせる。こなれていない訳も気にせずひたすら打ち込む。

ファイルの最終更新が1月2日になっているので、年末年始の暇な時にやったんだろう。

4. ブラッシュアップ -2023.5.3

再度原書と突き合わせてブラッシュアップする。パソコンに打ち込む作業ほどではないがこれもあまり心躍らないというか、なかなか大変だった。というのも最初の翻訳でに訳しにくかった難所を重点的にブラッシュアップするから。辞書や翻訳サイトの力を借りてなんとか頑張る。印刷したけどあまり使わず、結局は画面上での確認がメインとなった。

その前の作業から4ヶ月も経っている。時間がかかったというか、やっていない期間がほとんど。気が乗らなかったり、他にやることがあったんでしょう。

5. ブラッシュアップ(2回目目)-2023.5.6

ここは日本語としての自然さを優先してブラッシュアップする。ここからまた楽しくなってくる。文章を適宜切ったり、時制を変えたり。言葉の揺れとか、「僕」か「ぼく」にするかといったこともここで決める。自分が小説を書いてる気分になって楽しい。そのせいか前の作業から3日で終えている。GWの暇な時間にやった模様。

6. 印刷用のファイルを作成

この作業も面白い。Macを使っているので、Mac用の高機能文章作成アプリegwordを使う。

www.monokakido.jp

ルビをふったりページ数をつけたりフォントを決めたり。印刷用紙のサイズも決める。同人誌を作る楽しさってこんな感じなのかと思った。ちなみに以下のサイトを参考にさせていただきました。

note.com

www.petit-orchestra.jp

7. 印刷したもので最終校正 -2023.5.7

ゴールまでもう一歩。ブツとして手元にあるので、テンションが上がってとても楽しい。誤字脱字を中心に赤をいれていく。

8. 完成 -2023.5.8

完成!すごく嬉しい。紙に書く作業だけでも楽しいけど、やっぱり実物ができると感慨もひとしおです。

9. 翻訳版と自分が翻訳したものを読み比べる -2023.6

完成から1ヶ月ほど経ってから翻訳版と自分が翻訳したものを読み比べた。なるほどと思うところもあるし、自分と同じように訳したところもあったりして面白い。これでおしまい。

おわりに

なんだかんだで9ヶ月もかかってしまった。空いた期間を詰めれば半分以下の時間でできたと思うけど、まぁそれも含めての初翻訳ということで。

また心機一転、新しいものを翻訳してもいいかなと思っている。それくらいには楽しかった。