柴田元幸の朗読会に行ってきた

柴田元幸の朗読会に行ってきた。翻訳したレベッカ・ブラウンの『ゼペット』の刊行記念朗読会で、京阪神をまわっているそうだ。

氏の翻訳した小説はいくつか読んでいる。例えばピンチョン『メイスン&ディクスン』、ポール・オースター『ムーン・パレス』、マーク・トゥエインハックルベリー・フィンの冒けん』、サリンジャーナイン・ストーリーズ』等々。エッセイも数冊読んでいるし、雑誌『MONKEY』もたまに読む。だからわりと読んでいる方だと思ってたけど、Wikipediaをみたら自分が読んだのはごく一部だった。とはいえ名前を知っている数少ない翻訳家の一人だし、いい機会だと思って行ってみた次第。

そもそも朗読会自体はじめて参加したんだけど、なんというか、柴田さんは朗読がすごく上手だった。身振り手振りが多くて、役者の台本読みみたいだった。噛まないし滑舌もよい、声もよく通る。朗読を聞くのは悪くないと思った。ちょっと気を逸らすと頭に入らないからこちらは頭を空っぽにして無心で聞く必要があり、それは一人で黙々と読むのとはまた違った面白さがあった。朗読者を眺めているのもよいし目を瞑って聞くのもよかった。
『ゼペット』以外にもいくつか読んでくれた。短編小説とかショートショートの尺くらいがちょうどいいと思う。

あと朗読だけじゃなくて、翻訳も面白そうだと思った。これまでも興味がないわけではなかったし、なんならつい最近は柴田さんが書いた翻訳に関する本も読んでいた。だから今回の朗読会もすごくいいタイミングで、なんかいい流れを感じたのです。