『シェフたちのコロナ禍』、久々に行った店のこと

 

 

『シェフたちのコロナ禍』を読んでる。はじめの緊急事態宣言があった時期の、飲食業界の人たちのインタビュー集。東京の評判のお店が対象になっているから限定的な範囲のインタビューで網羅生はないけど、だからこその具体的な話で面白かった。
どのお店もわりと対処は似ていて、従業員を大事にすること、休業orテイクアウトを始めるというのが多かった。料理人界隈って職人集団だからか、人との関わりをすごく大事にしているという印象を持った。職場の人とか仕入れ先とか。料理人って、料理を作ってそれを食べてもらって対価を得るっていう、すごくシンプルな商売だ。中間項が少ないというか言い訳がないというか、隣の芝生かもだけど、そういうのっていいなと思う。
この本は最初に書いたとおり、はじめて緊急事態宣言が出た時期のインタビュー集だから今読み返すと「近過去」という印象がある。今よりもっとコロナが怖かったし、まさか2年以上終息しないとは思わなかった。休業を選んだ店も方向転換を余儀なくされただろうし、当時と今ではお店の対応も変わっているだろう。

この本は図書館でたまたま借りたんだけど、借りる直前に街中の喫茶店に久々に行っていた。わりと有名なところで雑誌にもよく取り上げられるお店というのもあって、混むから足が遠のいていた。でもなんとなく行きたいなーと思っていて、開店直後にモーニングをしに行ってみた。一人客が多くて席の埋まり具合はチラホラという感じで、でも次第に埋まっていった。足繁く通った店ではないけど最近は全然行けてないなーという寂しさはあって、後ろめたさみたいなものも少しあった。ここもあの時期は、そしても今も大変なんだろなと思いながらモーニングを食べたのでした。ごちそうさまでした。