本作は彗星が地球に落ちるまでにムーミンたちが右往左往する話。遠い天文台まで旅をして、旅で出会った仲間たちとムーミン谷に戻ってくるまでの珍道中を描いている。スナフキンやスノークのおじょうさんが出てくるんだけど、個人的には幼いスニフが一番可愛くて好きだった。
「そうだった、ぼくたちのどうくつの中にいたら、助かるにきまっているんだ。きみは、なんてかしこいんだろ」
と、ムーミントロール。
「ぼくのどうくつの中だい」
スニフが大声でさけびました。
p124
「まあ、たいへん。ほんとに、『かわいいスニフちゃんへ』とも、書いておくべきだったわ……どうしましょう」
とママは、大声をあげました。
「こうなったら、あの子に、なにかとってもいいものをやりなさい」
と、パパは、むずかしい顔でいいました。
p224
あと、スナフキンが持っていたハーモニカと「せんぬきとねじまわしのついたナイフ」が自分の欲しいものとかぶっていたのが印象的だった。昔ブルースハープを持っていたことがあって、スクールに通って練習していた(でも上達しなかった)。『エルマーとりゅう』でエルマーが持っていた銀のハーモニカにも憧れたし、颯爽と鞄から出してハーモニカを吹けたら楽しいだろうなぁと、今でも思う。
「せんぬきとねじまわしのついたナイフ」でいえばビクトリノックスのナイフなんかも好きなんだよな。こういう、鞄にサッといれられる道具には自由とロマンを感じてしまう。